一番馴染み深いのはカナダ国旗ではないでしょうか。メープルの葉形が描かれています！

実は、木の皮（樹皮）に傷を付けると樹液は食卓でも愛される「メープルシロップ」になるんです。ホットケーキには欠かせませんよね！

カナダ国旗に描かれるくらいですから、北米東岸～五大湖周辺に分布しており、比較的寒冷な地域で植生しています。

伐採は常に樹液の糖分の分泌が活発になり黄色くなるのを避けるため、白いままの表情を活かすため真冬のマイナス30℃にもなるなかで行われます。

名前は可愛らしいですが、見た目とは裏腹に非常に硬く重い事が特徴です。
そのため、加工は容易ではなく、材木屋・家具屋泣かせの木です(笑)

なお、メープルにもいくつか種類があるのですが、一般的には「ハードメープル」の事を指し、テーブル等に用いられるのもほとんどがハードメープルです。

その逆に「ソフトメープル」もあるのですが、材質が軟らかくあまり多用される事はありません。ソフトメープルは、主に鉄道枕木、パレット、梱包材、合板などに用いられます。

メープルは、木肌は絹のような光沢感があり、光を受けるとキラキラと美しい輝きを放つことから「木の真珠」と呼ばれています。

また、木目はやわらかい波状のものが多く、見た目に滑らかでやわらかい印象が特徴です。

また、表面には光沢感があるため、テーブルとしてはもちろん、インテリアや化粧材・仕上げ材として用いられる事が非常に多く、室内の内装材として好まれます。

他に、メープルの特徴として「珍しい杢が現れる」事も挙げられます。

また、メープルの特徴として「珍しい杢が現れる」事も挙げられます。

縮み杢、玉杢、バーズアイ(鳥眼杢)は最たるもので、特にバーズアイが現れたメープルは「バーズアイメープル」と呼ばれ非常に重宝されます。

近年では、レジン加工技術が発達してきてバーズアイメープルを活用したリバーテーブル・レジンテーブルもよく見かけるようになってきました。

さらに、玉杢・バーズアイなどの珍しい杢が出る木材は高級材として重宝され、主にツキ板に加工され自動車のダッシュボード化粧材など装飾性の高い「高級内装」に使われます。

ただ、バーズアイは「鳥の目」のように見える事からそのように名づけられましたが、その見た目もなかなか強烈なため好き嫌いが分かれます。とても貴重な杢なのですが(笑)

日本のカエデ(楓)はメープルと同じ「カエデ科」です。その性質も非常に似ており、「どこで育ったか」の違い程度です。ただ、メープルは樹高40m・直径1mくらいにまで育ちますが、カエデは樹高10～20m・直径60cm程度の木材が一般的と言われています。

日本のカエデも寒冷地で育つ傾向にあり、北海道や東北北部が主な産地です。日本では、多種あるカエデの中に「目薬の木」と呼ばれる木があり、古くから樹皮を煎じて使うと現病に対する効果あるとされ民間薬として使われていた事もあるんです。

メープルはスポーツ用品や楽器にも用いられます。例えばボウリング。ボウリング場のアレー(レーン)、ボールが転がる部分はメープルが使われています。

重いボールが投じられ強い衝撃に耐えるため重硬な性質のメープルに白羽の矢が立ったのですね。そしてピンもメープルから生産されています。
他にもビリヤードのキュー(棒)、ダンスホールの床材、スキー板としても活躍しています。

また、野球の世界でも。バリー・ボンズという大リーグの選手がメープルのバットを使い始めてから、バットの材料としてもメジャーになりました。それまで、大リーグではホワイトアッシュが主流でしたが、現在では、野球選手の多くがメープルのバットを愛用していると言われています。

楽器では、バイオリンやギターなどの底板用材として大変高く評価されており、バイオリン最高峰の「ストラディヴァリウス」にも、メープルが使用されているのです。

見た目にやわらかい表情であたたかみを感じる光沢のある美しい木材です。その美しい見た目と裏腹に重硬でとても丈夫。

さらに、様々な建材、内装の高級化粧材として重宝される事から「あたたかみがありながら高級感を追求したい」という人にはオススメです。

また、バーズアイのリバーテーブル・レジンテーブルは価格が高いですが、現在の流行りですので、そういう「新しいもの」「トレンド」に敏感な方にはご満足いただけるかもしれません。