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世界で一番重い木材の「リグナムバイタ」。樹高が10m、胸高直径が0.35mほどの「生命の木」という意味の名前を持つ木材です。は中世の時代、この木の樹脂に薬になる成分があると信じられていたからだと言われていました。果たしてどんな個性があるのでしょうか?
■水に沈む、世界一比重の重い木材
世界一高い山、世界一長い山などはみなさんも聞いた事があると思います。では、世界一、重い木はなんでしょうか?そう、それは今回ご紹介する「リグナムバイタ」です。
リグナムバイタは18世紀初頭に西インド諸島で発見され、樹脂が万病に効くと信じられていた事からラテン語で「生命の木」という意味を持っています。南米北部~中央アメリカに分布していますが、意外や意外、非常に小型の樹木で、高さ3~4m程度で直径も30~40㎝くらいにしか成長しません。したがって、大型の製材品というよりも短尺材で取引・流通する事が一般的な小さくもずっしり重い、そんな木材です。
バハマの国木としても知られています。
■重いがゆえに使い勝手は・・・
密度が濃いため硬くて加工性は非常に悪いです。しかし、その分、耐久性が高く摩耗には強いため船舶のスクリューシャフトの軸受けや馬車の車輪軸として使われていました。
一般的な使用例はあまり多くありませんが、数珠や杖(ステッキ)、古くはボーリングのボールなどに使われていました。
■日本で流通しているのか?
あまり多く流通していませんが、黒檀・紫檀のように和名で「緑壇」と呼ばれています。リグナムバイタは木材では珍しい緑色を帯びた色味:濃緑褐色が特徴です。
また、現在では取引を厳重に規制しなければ将来的に絶滅の恐れがある樹種として、ワシントン条約の輸出規制対象樹種のため、極めて稀少価値が高い木材です。
■紫外線に触れると変色
辺材は灰白色、心材は黄色を含んだ茶褐色をしているが、紫外線に触れることによって緑を含んだ色に変色します。