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高齢になったり介護が必要になっても、何時までも自宅で暮らしたい。そんな想いを叶えるお手伝いをするのが「福祉用具」です。中には高額なものもありますが介護保険を適用することで費用の1割~3割(所得に応じて変動)の負担でレンタルや購入をすることができます。福祉用具とは、要介護者や要支援者が在宅で安心した暮らしを送ることができ、介護者の負担が軽減されるために利用するモノ。福祉用具を使い在宅で安定した暮らしを送りましょう!
介護保険で適用となるレンタルできる介護用品は?
利用者は費用の1割~3割(所得に応じて変動)の自己負担で用具を借りることが可能
福祉用具のレンタル料金は原則として月額設定になっており、ほかの介護サービスと同様に介護保険が適用されます。利用者は費用の1割~3割(所得に応じて変動)の自己負担で福祉用具を借りることができます。また、対象介護度に応じて借りられる福祉用具は変わります。
対象介護度:要介護2~5/車いす・ベッド・移動用リフトなど
・車いす
自走用・介助用車いす、電動車いす・電動四輪車
・車いす付属品
車いすクッション、姿勢保持用品、電動補助装置など車いすと一体的に使用されるもの
・特殊寝台付属品
マットレス、サイドレール、立ち上がりをサポートするL字型ベッド柵など特殊寝台と一体的に使用されるもの
・床ずれ防止用具
体圧分散効果をもつ床ずれ防止用の静止型マットレス、エアマットレス、ウォーターマットレス
・体位変換器
起き上がり補助装置、寝返り介助パッドなど要介護者の体位を容易に変換できる機能があるもの
・認知症老人徘徊感知機器
認知症外出通報システム、離床センサーなど
・移動用リフト
自力または車いすなどでの移動が困難な人のための工事不要の移動用リフト、バスリフトなど
対象介護度:要支援1,2、要介護1~5/スロープ・歩行器・手すりなど
・手すり
工事不要で設置できる手すり、任意の場所に置いて使用できる手すりなど
・スロープ
段差解消のための工事不要の設置・撤去できるものやスロープなど
・歩行器
歩行を補う機能と移動時に体重を支える構造をもつ固定型歩行器や四輪歩行車など(シルバーカーは対象外)
・歩行補助つえ
サイドウォーカー、松葉づえ、多脚杖(3~4本の脚)、ロフストランド・クラッチなど(一脚杖のステッキ(T字杖)などは対象外)
・自動排泄処理装置
ベッドに寝たままの状態で排せつを処理する装置で、排尿、排便をセンサーで感知し、吸引・洗浄・乾燥を自動的に行う(レンタル対象は本体のみ)
※対象介護度・・・尿のみ吸引:要支援1,2、要介護1~5。尿と便を吸引:要介護4・5
軽度者に対する福祉用具貸与(例外給付) とは?
上記の表のうち対象介護度に条件がある福祉用具についても、例外的にレンタルが可能になる場合があります。
対象介護度に合致しない軽度者であっても、医師の意見に基づき福祉用具の利用対象像(下記のいずれか)に該当すると判断され、保険者である市区町村が特に必要と認めた場合です。これを「例外給付」といいます。
軽度者の利用状態イメージ
- 1.疾病などにより状態が変動しやすく、日または時間帯によって頻繁にその福祉用具が必要となる人
- 2.がんの末期などの疾病などにより状態が急速に悪化し、短期間のうちに確実にその福祉用具を必要となることが見込まれる人
- 3.疾病などにより身体への重大な危険性または症状の重篤化の回避など、医学的判断からその福祉用具が必要と認められる人
「例外給付」を利用する場合は、ケアマネジャーに相談のうえ、保険者である市区町村に届出を行います。
福祉用品を購入する際に補助の対象となるもの
介護保険では、貸与の対象となる福祉用具が定められており、費用の9割~7割が支給され1割~3割が自己負担となります。
貸与の対象となる福祉用具は以下の通りです。介護保険を利用して購入できる福祉用具は5種です。
- 腰掛便座(ポータブルトイレなど、便座底上げ部材を含む)
- 特殊尿器(自動排せつ処理装置の交換部品)
- 入浴補助具(入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴用介助ベルト)
- 簡易浴槽
- 移動用リフト吊り具の部分
市区町村の指定を受けた事業者から購入しないと支給の対象になりません
介護保険を活用して福祉用具を購入するには、市区町村の指定を受けた事業者から購入します。指定を受けていない事業者から購入した場合は、支給の対象になりません。また、指定を受けている事業者でも、インターネットから購入した場合は、支給の対象にならないので注意が必要です。
まずはケアマネージャーに相談を
「福祉用具貸与サービス」を提供できるのは、都道府県または市区町村の指定を受けた「福祉用具貸与事業者」のみです。
指定事業者には、専門知識をもった「福祉用具専門相談員」が配置されていて、利用者の体調や環境に合わせた福祉用具の選択をサポートしてくれます。
事業者を選ぶには、まずケアマネジャーに相談することから始めます。既に心当たりの事業者があるときも、ケアマネジャーを通しましょう。また、福祉用具を選ぶ際は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員だけでなく、利用者の状態に応じて、医師、看護師、理学療法士などのアドバイスも受けながら、適切な用具を選ぶようにします。
福祉用品レンタルは医療費控除扱いになる?
介護用品のレンタル、販売、住宅改修は医療費控除対象外となります。