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名作椅子と呼ばれる椅子と似たようなデザインだけど値段が安い。疑問に思ったことはありませんか?実はその椅子はリプロダクト製品です。
リプロダクトは、一度販売・生産が終了したものを、正規のメーカーが再現復刻したもののことを意味しています。デザインが酷似していて法律的に問題はないのでしょうか。今回はそんなリプロダクトが法律的に問題ないか。
どんなリプロダクトのおしゃれなインテリアがあるかを紹介します。家具業界一筋の私が紹介します。是非、ご覧ください!
リプロダクトなインテリアってどんなインテリア?
意匠権の期限が切れた製品を元に出来るだけ忠実に復刻生産したインテリアのこと
リプロダクトは、一度販売・生産が終了したものを、正規のメーカーが再現復刻したもののことを意味しています。
リプロダクトは、英語では「Re-product」とあらわすので、正規のメーカーが元のデザインを復刻・再生産するという意味で使われ始めました。優れたデザインを新品として購入したいという声に応え、停止していたものを再生産したものがリプロダクトと呼ばれます。
リプロダクトって法律的に大丈夫?
意匠権の保護期間は20年。それ以上を過ぎていれば法律的に問題はない
リプロダクトの製品に大きく関わるのが意匠権。
意匠権とは、物のデザインを独占的に所有できる権利です。
産業財産権法に基づいて意匠登録を行った商品は、日本では発表から20年間そのデザインの意匠が保護され、同じ形・デザインの商品を製作・販売する事が禁止されます。
期間経過後はパブリックドメインとなり版権が無くなりますので、リプロダクト品として復刻生産することが可能となります。
また、登録を行っていなくても、新商品として発表されてから3年以内に同じと認められる商品を販売することは不正競争防止法違反になり、違法行為として罰せられる対象となります。
つまり意匠権が切れている製品をベースとしてリプロダクトな製品を作る分には法律的に問題はありません。
リプロダクトなインテリアってどんなインテリアがあるんだろう?
まずはベースとなるシェルチェアを紹介!価格は52,800円
1950年代に製作が始まって以来、世界中で支持され続け今もなお人気が衰えることのない不動の名作「シェルチェア」です。
すっきりとしたシンプルなフォルムが身体を包み込むチェア。
デザイナー、チャールズ&レイ・イームズ夫妻が手掛け、工業的に製造された初のプラスチック製チェアでもあります。
快適性と耐久性を兼ね備え、単なるアクセントファニチャーという存在を超え、家庭、オフィス、図書館、美術館などあらゆる場面で優れた機能を発揮しています。
みなさんも一度は見たこのあるチェアではないでしょうか。
本物を購入すると52,800円。果たしてリプロダクトはどんなデザインでいくらぐらいで購入できるのでしょうか。
シェルチェアのリプロダクト商品はこちら!価格は8,900円
シェルチェアのリプロダクト商品は、エアリゾームインテリアさんから発売されているダイニングチェア イームズチェアです。
座面の高さはほぼ同じ。正規品は41㎝で、リプロダクト品は納品書と同梱されていた品質表示表に高さ45㎝です。
しかし違う点も何点かあります。
座面や背もたれ部分を手で軽く叩いてみると、正規品はコンコンという低い音がするのに対し、リプロダクト品のほうはカンカン、と少し響くような高い音がします。
また背もたれの角度が異なり座り心地も大きく違います。
おしりへのフィット感は悪くはないけれど背もたれが浅くてリラックス感が少ないため、座り心地はやはり正規品のシェルチェアのほうがいいです。
リプロダクトの製品はこんな身近なところにも ニトリの北欧風シンプルシェル型チェア 価格は4,990円
ニトリも実はシェルチェアのリプロダクト商品を製作しています。
豊富なカラーバリエーション!どんな場所にもマッチする洗練されたデザインです。
触り心地に関しては正規品のほうがざらっとした質感で、リプロダクト品はつるりとした感触。見た目も正規品はマットなのに対し、リプロダクト品は少しツヤというか光沢があります。
こちらも座り心地という観点で考えると正規品のシェルチェアに及びません。
リプロダクトなインテリアは法律的に問題なし!
今回はリプロダクトなインテリアって本当に法律的に大丈なのかについて解説しました。意匠権は20年でキレるので結果的に法律的には問題ありません。
しかし長い目で見ると正規品の方が座り心地が長く愛用できます。気軽にインテリアを楽しみたいのであればリプロダクトの製品を。長く愛用したいのであれば製品を選びましょう。