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国際ホテル・レストラン・ショーとは外食・宿泊・レジャー業界に向けた商談専門展だ。
同時開催のフード・ケータリングショーと厨房設備機器展の頭文字を取って「HCJ」と総称している。
来場者は
日付 | 来場者数 | 前年度 |
15日(火) | 6,541人 | 5,782人 |
16日(水) | 7,008人 | 5,663人 |
17日(木) | 7,816人 | 6,373人 |
18日(金) | 6,963人 | 6,378人 |
トータル | 28,328人 | 24,196人 |
と昨年よりは全体的に増えたが、コロナ前に6万人を超えていたことを考えるとまだまだ少ない数字だ。
注目の2社
今回のホテル・レストランショーは家具・インテリア関連企業の出展は少ない印象だった。
そんな中でも一際目立った2社を紹介する。
metalab(メタラボ)
マットな雰囲気で一際目立ったmetalab(メタラボ)は展示会初出展。
2021年4月にリリースしたばかりの新進気鋭のブランドだ。
山本製作所BASE株式会社の山本拓嗣社長とGate Light Designのデザイナー関光卓氏がタッグを組み、一から製品企画をおこなった。
コンセプト
元々山本製作所はステンレスを中心とした金属プロダクトを多数製作していた。
そんななか、ふと普段の生活の中で金属にフォーカスするような家具・インテリアが圧倒的に少ないという現状に気づく。
ステンレスには『叩き』『曲げ』『溶接』『研磨』といった作業を行う中で、その魅力的な質感や色、素材感、工作性、強度などを変化させることができ、他の素材にはない独特な良さがある。
そんな金属を「もっと人の生活で身近に存在になってほしい」との思いから「metalab」のブランドは誕生した。
家具製造は初挑戦ながらも関光氏の丁寧なサポートのおかげで既存メーカーと遜色のないプロダクトが出来上がった。
デザイン
金属を補強や強度のあるパーツとして見るのではなく、木や革、布などと同じく『素材』として捉えるところからスタートした。
特殊研磨材を活かしながら、木や革、布など異素材と交配させ、金属独特の素材感を人が触れたいと感じられるように融合させたデザイン。
特に意識したことは”線と面と素材感”。
ステンレス素材を一部のパーツとしてではなく、出来るだけ”面”で見せることに注力した。
空間作りと製品へのこだわり
他のブースにはない、黒を基調としたモノトーンの構成で一際目立っていた。
ブース正面にステンレスをふんだんに使用したソファが構え、その前にローテーブル。
「来場者の反応を見ながら毎日レイアウトを変えていった」と関光氏。
ローテーブルも小口だけを研磨し、上品に仕上げるなど細やかな製品づくりが伺えた。
ホテルのロビーや空港のラウンジ等に導入してもらい、認知度向上を行なっていくとのこと。
metalab公式HP:https://metalab.jp/
飛騨産業
畳の空間で映える新シリーズと昨年発表した新たなアプローチで木材を使うシリーズを展示。
SUWARI(座り)
今回展で初お披露目となったSUWARI(座り)。
デザイナーは無印良品のアートディレクターなども務める原研哉氏。
木、畳、カーペット、あらゆる床に負担をかけない足の構造をしていて、シリーズ名にもある「座り」の営みに重点を置いた製品だ。
国産の小径木を使用し、見た目は細身だが強靭で構成要素も必要最低限に抑えた。
座面と背面は緻密に計算されたそりと角度になっており、小ぶりながら非常に安定感のある座り心地になっている。
簡潔な設計の中に抜群の機能性を携えた、和の空間の原点を目指す家具シリーズだ。
SHINRA
2021 飛騨の家具フェスティバルで発表されたシリーズ「SHINRA」。
彫刻家 三沢厚彦氏とのコラボレーションモデルだ。
このシリーズは木材を集積した塊から最新の3Dデータを駆使した切削技術で削り出すという、従来の家具づくりとは異なるアプローチで生み出された。
独特のボリューム感のある存在感と、まるで動物のような有機的な形が特徴だ。
基本的に木材の家具利用においては、十分な径の太さ、長さが必要であり、これまで家具用材には適さないと言われていた、小径木や早生樹、端材の有効活用が課題だった。
「SHINRA(森羅)」シリーズは、こうした「小さな木材」を製材・接着して1つの大きな塊にし、3Dデータと最新の5軸NCルーターを駆使して削り出す、という独自のアプローチをとった。
それにより今までの角材・板材では難しかった、体全体を包み込むような三次元形状を実現している。
飛騨産業公式HP:https://hidasangyo.com/
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