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秋の味覚「クリ。」クリの木は、私たちのお腹だけでなく木材としても私たちの生活を支えてくれます。クリの木は、耐久性・耐水性に優れており大胆な木目や繊細で複雑な表情が同時に楽しめます。自己主張が強すぎずどのお部屋にも馴染みやすいテーブルが欲しい人にオススメです。
クリってどんな木?
■大きなクリの木の下で~・・・秋の味覚
クリは古くから日本人に親しみある木で、縄文時代から食用として人々の暮らしを潤してきました。
また、建築構造としても、青森県の三内丸山遺跡では直径1mにもなる巨大なクリ材が柱として使われていた事が発見されています。
余談になりますが、世界中には約10種類ほどクリの種類があるんですよ。
「大きな栗の木の下で」という童謡がありますが、クリは一般的に高さ約20mにまで育ちます。
歌詞の通り、大きい木として人々の生活に寄り添ってきたのです。
■昔は建築物の土台として重宝された・・・水に強い
クリの大きな特徴は何と言っても「耐久性・耐水性に優れている」という事です。
シロアリなどの害虫にも強く腐食しにくいため、古くから住宅の土台としてよく使われてきました。
クリの土台は「最高級」と言っても過言ではありません。
現在では、クリ同様に耐久性・耐水性に優れたヒノキが一般的にその役割を担っています。
また、コンクリート製に代替されるまでは、線路の枕木としても活躍していたんですよ。
現在は、ウッドデッキ材やフローリング材、家具用材として非常に人気がありますね。
■繊細でありながら大胆・・・複雑な木目
クリは背丈が高く育ちますが、あまり太く育たない傾向があります。大きいものは直径1.5mを超えるものもありますが非常に稀で一般的には直径60cmほどに育ちます。なので、大径木のクリ、幅広の一枚板を入手するのは至難の業なんです。
そんなクリの特徴は、木目・柄です!
ダイナミックな大きな木目も繊細な柄も現れます。
一枚板に製材するとそれが顕著で、一枚板に様々な表情があるためどこを見ても楽しめる。そんな特徴がありますね。
色味はライトブラウンと言いましょうか、ナチュラルな色味で温かみのある雰囲気。
木目自体もケヤキのようにクッキリしているわけではなく、淡くやわらかい木目をしています。
また、「ピンホール」と呼ばれる小さな穴もよく見られます。ピンホールは虫穴の事です。
食用の栗が採れるからかもしれませんが、虫にとっても甘くておいしい木なのかもしれません。これもクリの特徴のひとつと言えます。
■良質で幅広なクリは珍しいため割と高価
前述の通り、クリの大径木は珍しいため幅の広い一枚板はなかなか流通しません。
したがって、サイズや欠点の有無などにもよりますが、クリの一枚板は比較的高価になる場合が多いです。
大径木が多くないため、カウンター材や巾接ぎテーブルが主流とも言えます。
巾接ぎテーブルとは、幅の狭い材料を繋ぎ合わせたテーブルの事です。
2枚接ぎ・3枚接ぎであれば、耳付きの良質なテーブルを見つける事も可能です。肌触りも温かく感じられます。
どんな人にオススメなの?
大胆な木目や繊細で複雑な表情が同時に楽しめるのはクリを除いて他に無いでしょう。いつまでも飽きる事のない自然美を楽しむには、大変オススメの樹種ですね。さらに、上品なブラウン、やわらかく温かみのある木目は、どのお部屋にもピッタリ馴染みやすいのではないでしょうか。
クリのテーブルを買うのにおすすめな人
- 上品なナチュラルテイストのお部屋にしたい
- 飽きのこない雰囲気を味わいたい
- 一枚板でなくても巾接ぎテーブルでOK
- 玄人好みの雰囲気を楽しみたい
- 自己主張が強すぎずどのお部屋にも馴染みやすいテーブルが欲しい
デコボコな表目が特徴な名栗加工
クリの木材の使い方としてもう一つ特徴的なのは、名栗(なぐり)という加工方法です!
木材加工道具の突き鑿(のみ)や手斧(ちょうな)で削ったりはつった(削ぎ落とした)ままの、凸凹した表情を楽しみます。
安土桃山時代に生まれた数寄屋建築に使われているのをよく見ますが、名栗加工は、古くは鋸(のこぎり)がなかった時代の製材方法です。
いつの時代からかその原初的な加工が、味わいとして好まれるようになったと言われています。
まさにクリの耐久性と、名栗加工の意匠性をいかした粋な使い方ですね。
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■解説・資料提供
岡崎製材株式会社
大正6年(1917年) 愛知県岡崎市で創業した日本一アカデミックな老舗木材屋。
世界中から仕入れ取扱う銘木は200樹種・5万点超で、日本一の木材保有量を誇る。
近年ではSDGsの取組みとして木の端材から新しい価値を創造・提案する”HAZAI® project”を推進し、大手企業とコラボするなど社会的注目度も高まっている。
また、YouTubeチャンネル「材木屋のおやじとせがれ」では、同社4代目社長:おやじと、そのせがれが無垢材文化の伝道師として「オトナの木育教室」をテーマに様々な無垢材・高級銘木の魅力を発信している。
会社HP:https://www.okazaki-seizai.co.jp/
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/ZaimokuyaTV
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